2017年8月1日火曜日

前倒し打法は良く当たるのですが・・


Question

クラブは返すものではなく、自然に返るものだと教わったのですが、
ダウンスイングの初めから意識して右手でクラブを返すようにしたら、
インパクトでは、かぶって入っているような感じで、
意識はそのまま左に抜く感じでスイングすると、しっかり打てるのですが、
これって、コースではだめでしょうか?


Answer

右手でクラブを返す動きは間違いではありません。
「かぶって入るような感じ」というのは今までとは違う動きなために
違和感があったり、かぶっている感じがするだけだと思います。

しっかりと打てているのでしたら、その感覚が正解なのでしょう。
ただ、それはその打法の正解であって、他の打法の正解ではありません。

基本的にスイングは重力と張りで打ちますが、その打法は
力だけで打とうとするもので、体も使わず手打ちですので限界があります。

打ち方は無限にあるものです。
確かに、どれひとつダメな物はありません。
それでご本人が満足ならば、それが正解なのです。

しかし、力が必要で疲れるとか、筋肉離れしそうだとか
飛距離が出ない、いつまで経っても完成度が上がらないなど、
その振り方は良くないと思われるのでしたら、
もっと効率の良い方法を探してみるのも良いかと思われます。

スイングは基本的に一部の筋肉に力を入れて打つ物ではありません。
全身を満遍なく使い、重力と体の張りで打つのが効率が良いスイングです。

質問者さんが試されている打ち方は前倒しという打法(*)で
振り遅れをなくすために、トップの位置から
ヘッドを先に落として来るように指導されています。

これでも打てるので、手打ちを極めたなどと
喜んでいる人がいますが、一部の筋肉しか使わずに
決して効率が良いとは言えないでしょう。

体を弓にし、体全体がムチとなって、下から上へと
時差をもって力を入れていくと、しなりという効率が生まれます。

ムチの手元がゴルフの足先で、
ムチの先端がクラブのヘッドということです。

したがって、体の足から始まった動きが、
徐々に連鎖的に上昇して、最後にムチのようにエネルギーをタメ、
先端に一気にしなりの解放があって速度が出るのです。

これに対し、ヘッドから返す動きを切り返しから行うと
ヘッドは遠回りしながら単なる力だけで降りて来るか、あるいは
アーリーリリースで手とヘッドの速度があまり変わらないスイングとなり、
力のない人には飛ばすことができず、これで飛ばそうとすると
手や肘を怪我をする危険性があります。

ヘッドは体の近くを通し、体のしなりによって最後の一瞬で
ヘッドが返る打ち方がムチ効果で、もっとも効率が良い打ち方なのです。

効率の良いボディーターンを行い、ヘッドを引き寄せ、
縦振りをすることでクラブは確かに自然に返ります。
しかし、超高速スイング時代は、この重力や張りで起きる自然の動きに
さらに力を加えてパワーを出すことで飛距離を伸ばしています。

しかし、力を入れるタイミングが重要で、前倒し打法は
最初からクラブを返す力を入れるために、スライスが解消されたり
当たれば飛距離もそこそこ出ますので、初心者には驚きかも知れませんが
力だけで振るスイングはミスが多く、あくまでも手打ちですので
飛距離も限界があり、怪我をし易いので要注意です。

リリースするのはレイトヒティングと言って、最後の最後、
ぎりぎりに開始し、一瞬にして返してしまうのでHSが上がり
いかにこのタイミングを遅らせて速く回転させるかの追及によって
タイガー以来の打法が進化してきたのです。

ただ、どんな打ち方でも個人の自由です。
より楽に遠くに打つには、効率の良い動きをすることが基本ですが、
10年も練習してきた動作を変えたり、体力がなく
練習ができないのに改造したりは避けるべきで、
息の長いゴルフ生活、そしてせっかく整ったタイミングや精度を
無駄にしないようにする事も大切かと思います。

(*) 前倒し打法

   直立してクラブを握り、クラブを垂直に立てます。そして、
   肩を左右に回転させると、クラブは斜めになりながら、ヘッドが
   後からついてきます。

   このグラグラした動きをなくすために、ヘッドから先に倒して行くと 
   クラブは垂直に立ったまま左右に動きます。

   右から左に移動する時に、右手に入れる力によって、クラブが
   立つ事から、前倒しという名がつけられているようです。





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