2017年2月5日日曜日

フェースが開かなければ体が開いても


Question

フェースが開かなければ体が開いても問題ないですか??


Answer

まず、体が開くという表現ですが、どの部位のことでしょうか?
肩が開く、腰が開く、と大きく分けて二つあると思います。

開くとは目標方向に向くということですが、インパクト時に
肩のライン(右肩と左肩を結んだ線)が目標を向き、胸が
正面(本人の前の打席方向)を向いた位置をスクエアといいます。

さて、インパクトで腰が開くのは良いのですが、肩が開くと
フェイスが開いてプッシュやスライスになることがあります。
ただ、これはストロンググリップにしたり、ローテーションを速めるなどで
フェイス自体をスクエアにすることができます。

これによって肩が開いてもフェイスが開かずに真っ直ぐに打てるのですが
ほかにもう一つ問題があります。

それはタイミングという効率の悪さです。
スイングの運動は縦移動と横移動の二つの合成です。
横運動だけだと、トップの位置は肩よりも低い位置になりますので
肩の上に持って行くには腕を上げる縦の運動が必要です。

この時に横の動きと縦の動きのタイミングが合うことで一点にヘッドが降りてくるのです。
ところが、トップの形で肩を飛球線上後方に向けた形のまま
球を打つことはできませんし、また、フォローで胸が目標方向を向いた位置で
球を打つことも人体構造上できません。

では、どこで打つのが理想かというと、その両極端の
どちらの位置からも遠い真ん中になるのです。

トップに近いほど打ちにくくなり、またフィニッシュに近いほど
打ち難いということですから、肩が正面を向いたスクエアで
インパクトすることが一番効率が良いことになるのです。

ところが、初心者が勝手に振ると左手で引っ張って来て
斜め下に向かって横振りをして打とうとします。
これは肩の開きによって左腕が引っ張られてきますので
その力だけで打とうとしたり、右手で右横から左に叩く動きで打とうとするのです。

横は回転で作り、腕は縦に下ろすだけで、その合成が
実際の斜めの軌道になるのですが、最初は横に叩く事
ばかり考えているのです。

したがって飛ばそうとすると、ほとんどの人がトップの切り替えし時に肩始動し
アウトインになってオヤジスイングの典型的なフェイドの癖球になるのです。
アマチュアのほとんどがフェイドしか打てないのがこのためです。

その癖球を持ち球だと正当化し、長年甘やかせて来た事も
日本をダメにしている大きな原因の一つかも知れません。

腰は開いても良いのですが、肩が開くと一番効率の良いタイミングを逃し
逃したままフェイスを閉じて誤魔化して、効率が悪いまま固まったガラ系が
実に王道として現在日本の主流となっているのです。

ゴルフは飛距離じゃない、と長年言い続けてきた言い訳によって
欧米クラスの飛距離を求めず、追求して技術を探さなかったツケが
回ってきたのです。

日本が世界から30年も遅れてしまった理由の一つがこれで、
再現性があまりにも安定すると、日本のコースではスコアが良くなって
スイング自体の欠点を見なくなっていたのです。

より、効率の良いスイングをするには、物理的、力学的にもより効率の良い、
一番力が入れられる場所で打つフォームを習得する事ではないでしょうか。




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