2017年2月11日土曜日

タイガーの幼少期を教えたコーチ


Question

先日TVで、タイガーの幼少期を教えたコーチが来日し
日本の中学生を教えていたのですが、技術は一切教えず
クラブ2本だけでラウンドさせたり、良かった事だけノートに書くという
感性を磨く訓練をしていました。

やはり、ゴルフはセンスと感性だと思うのですが
センスも感性もない私のような者には
ゴルフは向いていないということなのでしょうか?


Answer

彼はタイガーウッズを教えた3人のコーチの一人です。
タイガーの幼少期に6年間教えたコーチとして集客には困らない人ですが
スクールに通って来る子供達は、やる気を起こさせることが目的で
辞められたら親からクレームが来ますので、やる気を出させることに専念し
褒めるだけのレッスンしかしません。

この中から本気でプロを目指す子がいたら、恐らく技術面を教えないと
トッププロとしてはそこまで成長できないと思いますが、
団体の場合、一人でも辞めたいという生徒が出てくると仕事がなくなります。

ゴルフは物理ですので、芸術とは違って独創性や感性ではなく
職人としての原理やメカニズム、そして最高の技術を教えるべきなのです。
動物的な勘という物も必要かとは思いますが、何も知らない子供に
どう動かしてよいのかを教えないのでは、できなくて逆に辞める子や、
物足りなくて他に行く子も出てくるのです。

しかし、コーチが辞めさせたとは父兄は取らないので
ポストを脅かされることがありません。

スクールに来る子供達は好きで通って来る子ばかりではありません。
親が必死に子供をプロにしようと一生懸命なのに、当の本人は
嫌々でも親に逆らえなかったり、親を喜ばそうとお付き合いしているだけの
子供もいるのです。

そして、そういう子供の親こそモンスターピアレントとなりうるので
その子達に難しい技術を教えて嫌になられたら、親から何を言われるか分かりません。
コーチとしても辞められたら困るのです。

また、アメリカでは褒めて伸ばすという教育しかしません。
あくまでも個人を尊重するので、本人がやる気がないのに、
無理矢理にやらせたりはしません。
また、同時に最後まで責任を持って面倒を見る事も基本的にしないのです。

ゴルフに限らず、褒めて伸ばすのはとても良いことなのですが
野球で技術を教えないコーチって、どうでしょう?
フィギュアスケートで回転の仕方を教えずに、センスと感性だけで
勝手に試行錯誤してトリプルアクセルが飛べるのでしょうか?

スピードスケートならまだ分かります。
それでもトレーナーやコーチがいて、技術面の指導もしていますので
まして、野球やゴルフなどの瞬時に動く、見えない力の入れ具合や方向など
センスと感性だけではとうてい辿り着けない、非常に難易度の高い
高等技術を必要とするスポーツもあるのです。

リゾートゴルフや古い打法ならそれでも昔は頂点に行けたのですが
今はもうその時代は終わって、しっかりと基礎や基本動作、そして
飛ばしの高等技術を物理的に教えてもらわないと、
とても自分ではできないレベルなのです。

コーチも何を目的としているか、あるいはその人によって、レッスンの内容が違います。
ゴルフの楽しみを教える段階の初心者、仲間と一緒でないと続かない人、
アベレージゴルファーで良い人、そして競技ゴルフとして頂点を目指す人などです。

本人のやる気、時期、性格、目的、目標などによって様々です。
グループレッスンは誰も辞める人がでないように配慮することで
高等技術やメカニズムは教えることができないのです。

彼の教え方は、モーチベーションを上げるためのレッスンとして、あるいは
基礎や技術を習得し終わった人にはとても大切な指導内容です。
初心者はグループレッスンでも良いのですが、真剣に競技ゴルフを目指す段階では
技術を習得するために個人レッスンを選ぶ必要があるということです。

また、技術のないコーチ、あっても人には教えられないコーチなども
センスだの感性だのでダメ出しをするだけの人も多く、そのような風潮の日本は
また、そういうコーチをもてはやす傾向にあるのです。

ゴルフは同じ事を繰り返す運動ですので、センスや感性などではなく
再現性と精度ですので、定着練習の量が必要なのです。
動かし方を習って、その通りに動けば良いだけなので、誰にでもできるスポーツです。


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