2016年10月13日木曜日

ワインディングは日本人には合わない?!


Question

松山選手がゆったりとしたスイングで、トップで止まっていながら
あの飛距離を生み出せているのは、どこに起因するものなのでしょうか?

日本人選手にワインディングを使ってスイングする選手がいないのは、
日本人には合わないということなのでしょうか?
それとも理解してないということでしょうか?


Answer

なかなか高度なご質問です。
ワインディングの技法はまだ日本では認知されていませんが
これは80年代後半にアメリカでは指導されはじめ、
タイガーウッズ以降は世界の主流になった物です。

欧米選手のスイングが速いのは動画で見れば分かります。
トップで休憩している欧米選手は今は誰もいません。
トップでぶつかって、すぐに跳ね返って来るスイングをしています。
これがワインディング、あるいはコルキングという技です。

これは速くスイングすれば良いという単純なことではなく
拳銃かライフルかの差があるのです。

拳銃は筒の長さが短いので命中率が低く
筒の長さが長いライフルは正確性が高いのです。

スイングはダウンスイングだけではありません。
テイクバックもスイングの一部だとして、往復の長さで方向を決めると
ちょうどライフルのように長くなるのです。

また、動作としてはまず腰を止めて、上半身だけを捻転し
腰はほぼ20度程度にしかトップでは回っていません。

これは何を意味するかというと張りです。
左側がこの捻転差によって張るというエネルギーのタメができるのです。

したがって、この張りを8~10にするとトップで止まっては入られません。
止まっていられるのは緩んでいるからです。

松山選手がアメリカデビューした時には解説者達に
オールドファッション・スタイルだと解説されていました。

確かに80年代以前、腰は45度程度回すのが主流でした。
デイビスラブなどの当時の若手選手達が
テイクバックで左足のかかとを上げず、ベタ足で打つように
なった頃からこのワインディングが広まったのです。

これによって飛距離が伸びただけではなく、張りによって軸もブレ難くなり
方向性も良くなったのです。
高速打法が始まった当初としては、このワインディングはブレを減らす
画期的な技術として世界中に広まったのです。

ヘンリックステンソンやザックジョンソンなどはこのワインディングを
マックスに使っています。
また、マキロイは7~8割程度でトップでのタメの時間差を作り
跳ね返りの反動パワーだけではなく、さらに圧縮などの張りも入れて
しっかりとタメることで飛距離を出しています。

アメリカで目の前でトップ選手のスイングを見ていても
どこにどれだけ力が入っているかは分かりません。
いくら動画を見ても筋肉の力加減まではなかなか分かり難いので
日本にはまだ上陸していないだけのことで、
日本人には合っていないという問題ではありません。

私は80年代の後半にツアープロから直接習っていますので
なぜ腰が20度しか回っていないか、なぜトップにぶつかって
すぐに戻って来るか、などの理由を知ることができました。

コーチを師事しない日本人選手には、まだまだ知らない技術が
あるということなのではないでしょうか。





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