2016年5月13日金曜日

インパクトで腰が前に出る


Question

ゴルフスイングでインパクトを迎えるとき必ず腰が前に出てしまい、
前傾姿勢が崩れます。

左腰を後ろに引く、上半身を脱力させるなど
いろいろ試したのですが一向に改善されません。

ダウンスイングの意識が間違っているのでしょうか?


Answer

根本原因はボディーターンの動きの基礎ができていないことです。
基本動作が身についていれば、起き上がったり
浮き上がったり、立ち上がったりすることはまずありません。

どこをどういう形にして、どこに力を入れるか
などの基本が身についていないのに、そのまま勝手に打っていると
このような、余計な動きが出て遠回りするのです。

また、我流でも起き上がりがない人もいます。
確かに意識の違いで動きが変わりますので、対処療法として
イメージを変えると効果があるかも知れません。


では起き上がりや浮き上がりがなぜ駄目なのでしょうか?
それはまず軸が動くこと、そして伸び上がろうとする動きは
体が十分に使えていないという効率の悪さが主な理由です。

飛距離を出すには体全体にエネルギーをタメて、一気に開放する
という「タメの技術」を使います。
この時に体の伸び上がりの力だけで打つことは効率が良くないのです。

体は「弓とムチ」になることでタメが作れます。
体を弓にするには捻り、反り、圧縮の3つが必要です。

起き上がりは捻りが少なく、反りの反対で吊り上げ、圧縮の逆の動きになり、
ダフらないうようにするために体全体でクラブの長さ調整を行っています。

また、起き上がりや浮き上がり、立ち上がりなどの動きは
前傾角度が変わってしまい、軸が動いている最中に打つという
余計にそして無駄に難易度を上げているだけなのです。

ただ、これも完成度の高さである程度はカバーできます。
日本人のプロ選手の中には、このようなフォームで上位に行くこともありますので
20年、30年と同じことをして定着度が上がり、再現性が高まれば
アマチュアとしては十分に打てるようになるのは事実です。
ただ、わざわざ遠回りする必要はありません。


恐らく質問者さんは球を上げようという意識が強いのかも知れません。
DRなどは球を下から打って上げるという、いわゆる「すくい打ち」「はらい打ち」
のイメージで振っておられるのかも知れません。

このすくい打ちが治らない人はロフトの寝た、高い球しか出ない
DRを練習用に使うと良いと思います。
ある程度スイングが定着している方は効果があるかも知れません。

低い球を打つ意識で、低く長いインパクトゾーンを作って
右肩から押し込む練習によって起き上がりが修正される可能性があります。
また、ティーを低くして、体の外(左)に出して届かせる矯正練習もあります。

どう打っても上がってしまう経験をすると、体が対応してくるものです。
すくってしまうと上がり過ぎるという経験を重ねることで
意識が変わってくるかと思います。

ただ、これによってさらに違う癖が付いて、ますます崩れることもありますので
本来は対処療法ではなく、根本の基本動作から入れ替えることが一番安全です。


また、腰が前に出るのはダフりが怖いので
クラブの長さ調整のために起き上がるという原因も考えられます。

長さ調整はハンドファーストや左の肩の吊り上げなどで調整し
軸はできるだけ動かさないことが肝心です。

やたらと長いクラブを使っている人は要注意です。
また、ハンドダウンで構えている人や球が近い人なども要注意、
このアドレス時とインパクト時の違いを体が覚える必要があり
最初にインパクトの体の形をインプットする必要があります。

さらに、アドレスで肩が左を向いている人はアウトインのダフり軌道ですので
余計にダフってしまい、体が勝手に起き上がって調整していることもあります。


腰を突き出すバンプ時には、体重は左に移動し始めており
腰を開きながら左膝が伸びることになります。

最近はインパクト時に左脚で蹴る選手も増えてはいます。
これは左膝に大変負担の掛かる打法ですので、
基本はあくまでも体重移動開始時に伸ばすだけで寸止めで
完全に伸ばさないのですが、伸ばすことで胴体を弓にするだけではなく
腰を後ろに突き出しながら体重を左足のかかとに移動するのです。

バンプは筋力で無理やり突き出そうとするのではなく
体重移動と左膝の外旋と伸ばし、タメの圧縮などによって左腰を引き、
体全体、とくに左脇にはかなりの張りができるはずです。
起き上がり打法ではこの張りが少なくなって非効率になるのです。

腰が前に出ると腰の回転が不十分で加速しないだけではなく
起き上がりや浮き上がり、酷い場合は立ち上がりになる人がいます。
体には優しいかも知れませんが軸がブレてミスが多く、また飛距離が出ません。

クラブを持たずにエアースイングからはじめると良いでしょう。
しっかりとフォームができていたら、クラブを持ってそれが定着するまで素振りです。
いままで間違って打っていた分だけ正しい打ち方をしないと完全には定着はしません。

ゴルフは「地味なことをコツコツと」です。










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